吉と出るか凶と出るか

雷句誠さんが小学館と絶縁し、また原稿紛失のために提訴している件。オラとしては、全面的に応援する。以下は下らない私見をだらだら書くので読みたい人だけ。
アニメ・ゲーム・フィギア・ラノベ等々、日本におけるポップカルチャーの底流はマンガにこそありと信じていて、その成果に対する評価があまりにも低いと思っている。……まあ、古本屋や新古書店を多用していた身としてはあまり偉そうには言えないのだが。
しかしながらこの手の上下構造と言うのは一朝一夕に変わるモノでもないのもまた確か。おそらく一部の売れっ子以外の作家に対して、『使い捨て商品』めいた扱いをするのは今後もなかなか変わらないだろう。
そしてまた、功を奏した場合についても懸念がある。急激に作家の待遇改善となると、中堅どころの出版社によるマンガ雑誌はおそらく利益があげられなくなる。奇しくも小学館の雑誌だが、ヤングサンデーが休刊を決めたばかりだ。ドラマ化されるような作品──売り上げの指標にはならないかもしれないが──を複数抱えてるような雑誌でも厳しい状況なワケだ。休刊が相次げば、作家は作品発表の場を失うことになり、ひいては新人や、カルト的人気で保ってるような作家は仕事そのものを失うことになりかねない。そうなると多少なりとも雇用条件が悪かろうとも契約を結び……という悪循環すら生まれかねない。
精髄さえ残れば良いのだとする意見もあるのかもしれないが(るろうに剣心での雷十太の台詞は真実をとらえてはいると思うのよ)、変化の生まれない娯楽ほど面白くないものもなかろうよ。文化の輸出とか本気で考えているのなら、国の側でもなんとかするべきじゃないのかね……。